絶影の剣―日向景一郎シリーズ〈3〉 (新潮文庫)



絶影の剣―日向景一郎シリーズ〈3〉 (新潮文庫)
絶影の剣―日向景一郎シリーズ〈3〉 (新潮文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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人間と修羅の間で

 第1作「風樹の剣」第2作「降魔の剣」に続く第3作。
 「風樹の剣」では若さゆえに悩み苦しみ、「降魔の剣」でも多少思い悩む時があった日向景一郎が、今作ではほとんど完璧人間のように描かれている。(少なくとも、表面上は悩む姿を見せない。)
 そのかわり、医師の丸尾修理が人間と修羅の間で懊悩する姿が描かれる。今作の主人公は、この丸尾修理と言っても良いかもしれない。
 東北の山村で、藩による一方的な殺戮を目の当たりにした修理は、幕府への脅迫手段として江戸で毒の研究をする。そしてついに猛毒を完成させた修理は…。
 人間と修羅の間で揺れる修理の姿は、人間の姿をした獣と言われる景一郎のそれと重なるところがある。景一郎は「人間」に戻るのか?そして今作でもちょっとだけ触れられた、弟・森之助との対決の行方は?
 まだ完結していないシリーズなので、早く次回作を読みたい次第だ。
迫力ある剣豪時代小説

江戸から薬草の種を届けに一関の医師・丸尾修理を訪ねた日向景一郎は、彼とともに、疫病のため封鎖されたという山間の村に向かう。
そこで見たものは、水に毒を盛られ、脱出を図る者は斬り殺される村人の姿だった。隠し金山を守るため、藩は村人を皆殺しにしようとしていたのだ。
そして江戸。ある日、不忍池に夥しい数の魚が浮き、江戸市民の水源である井の頭池に毒がまかれる……独特の力強い筆致で、迫力ある剣豪時代小説として描きあげられている。



新潮社
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